はじめに
漫画を投稿したい!
「だけど、不安がある」といった方や、「注意点を事前に知っておきたい」といった方に向けて、自分の体験談や学んだことを書きつらねたいと思います。
私の投稿歴を順に挙げると
- 少年向けのストーリー漫画(シリアス)
⇒ 漫画の大会で小さな賞を受賞 - 少年向けのストーリー漫画(ギャグ)
⇒ 週刊少年誌で担当さんに付いて頂き、賞取りをするも努力賞 - 少女向けの四コマ漫画
⇒たまに小さな賞がとれるものの成果を上げられず…
……と、なかなかに駄目だめな方向に突っ走った経歴です。
このような私が、これまでに学んだことや経験から得たものを伝えていくことで、漫画家を目指す方々のお役に立てればいいなぁと願っています。
成功した人の言葉の方が響くとは思いますが、「人は失敗から学ぶ」ともいいます。
つるんと成功できた人は気付かずに通り過ぎた落とし穴や、強い心の人はものともしない障壁があるかもしれません。失敗した人(私)の屍から学んでいただきたいと思います。俺の屍を越えていけ・・・!
少年向けのストーリー漫画(シリアス)の投稿体験談
漫画を描き始めた当初はシリアスなストーリー漫画を描いていました。
当時の絵は、自分の絵ながら下手くそで背景もボロボロだったのですが、学校で応募した大きめの漫画の大会で小さな賞を受賞することができました。
受賞人数が多く賞金も無い小さな賞ですが、今原稿を読むと「良く賞をとれたなぁ…」と思うくらい絵は拙いです。
※ 国際なんちゃらみたいな全国規模の大会のストーリー漫画部門に応募し、確か佳作だったと思うのですが、その佳作の人数が物凄く多かったと記憶してます……曖昧ですみません
この経験から分かったこと。それはとにかく行動することです。
未熟でも結果に繋がる可能性がありますので、まずは1作品描き上げて、自信が無くても投稿してみてください。
この作品ですが、私がこれまでに描いた原稿を一通り読んでくれた人が、「1番いい!ストーリーがいい!後世に書いたわけわからんギャグマンガより心に来るものがある!好きだ!」と言ってくれたことがあります。
最初に描く作品には1番描きたいものの要素が詰まってるともききます。
結果に繋がらなくても、拙さや中二病感が恥ずかしく感じる時がきても最初の1作品目は特に大切にしてください!
方向性に悩んだら最初の作品に戻ってみるのも良いですね。
私は1作品目を封印して自分に向いていない方向に突っ走りましたので、皆さんどうか道を誤りませんよう……
ちなみになぜシリアスからギャグに走ったのかというと、
「私のようなものが無神経に、わかったような顔で誰かの気持ちを描くなんてできない……!」
と変な自己否定を始めてしまったからです。
もし同じような方がいたら是非、漫画の中で偉そうなこと言ったっていいし、わかったようなこと描いたっていいので、自分が描きたいものを描いてほしいと思います。
だって漫画ってそういうものじゃん?
人と関わって全員を不快にさせず全員を傷つけないことが不可能なように、漫画だって思わぬところで誰かの心をえぐってしまうことはありますが、同じ作品が誰かの心を救うかもしれないので……
少年向けのストーリー漫画(ギャグ)の投稿体験談
雑誌への投稿を始めたのはギャグ漫画からでした。
根本的な問題として、私が考えることも「ぬへーと平凡」。私自身も「さほど愉快なものではなく」、「エッヂの効いたギャグも勿論描けなかったのです!」どどーん!
それでも作品を投稿したところ、週刊少年誌で担当さんがついてくれました。
凄くないですか?皆さんのほうが考えることも、ご自身も、漫画の表現も上ですよ恐らく。今回の勝因もこれです!↓
とにかく描き上げて投稿するのが大事です、勿論持ち込みでも良いです。
その後、担当さんとは1年間かけて賞取りの為の作品作りをして、小さいですが賞を頂きました。初めて賞金も頂きました。
受賞した際、担当さんに東京に引っ越すように言われたのですが、当時北海道の実家で仕事や家族の介護をしながら生活していたのでお断りをしました。
東京に引っ越せないことは担当になってくれた時にお伝えしていたのですが、結局その後音信不通となってしまいました……
今はデジタル原稿が多くリモートでできるアシスタント業務もあるのでそんなことにはならないかもしれません。
当時は悲しく思いましたが、私はその雑誌社に何の貢献もせず受賞できるまで1年間漫画の面倒を見て貰ったので、今は担当さんに申し訳なく思う部分が多々あります。
少女向けの四コマ漫画の投稿体験談
週刊少年誌の担当さんと音信不通になった後、しばらくしてから少女向けの四コマ漫画を投稿し始めました。
「少年漫画を地方で描くのが難しいのであれば、月刊誌の多い少女漫画はどうか?」
と思ったのがきっかけです。わけわかんないですね。はい。
ただ少女漫画を描くにあたり、私は恋愛経験に乏しく恋愛やかっこいい男の子に対する興味もほとんど無かった為、少女の心ときめくような内容やキャラクターが浮かびませんでした。
致命的です!
でもギャグなら恋愛要素が無くてもいけるかもと四コマ漫画にしました。
ぬへーとしてて、愉快でもなく、ギャグのセンスを持ち合わせていないのに、です。
迷走しながらも描き上げて何度か投稿し、たまに小さな賞を貰いはしましたが、ほとんどの作品が賞に届きませんでした。
とはいえ少しずつ結果を良くして行くことができました。
少年漫画は投稿しても批評を頂けないことが殆どかと思いますが、少女漫画は文章やチェックシートで批評を返送してくれるところが多いです。
これがとてもありがたい、自分の駄目なところを知れるしアドバイスも頂けて次回作に繋げることができます。
私は「絵は良いけど内容良くしようね、あと背景描こうね」的な批評を頂きました。よっしゃーと思い、何故か絵の部分を伸ばして結果を上げて行きました。ここでも迷走です。
……全然批評を活かせてないですね、皆さんは真似しちゃ駄目です。批評をしっかり生かしましょう。
また、投稿先の雑誌を変えた時に「読者層が10代後半~20代前半なので、もう少し大人なエッセンスがあった方がいいです」といったコメントを貰ったこともあります。
作品が投稿先に合っていないと評価に繋がらないので、投稿先選びや投稿先に合わせた作品作りは大事です。
投稿時の注意点
このように、駄目な方向に突っ走った投稿歴の私でも、多少なりとも賞をとれたり担当さんが付いてくれたのは、投稿時に色々気を付けていたことも大きいのかなと思っています。
私が投稿直前にしていた作品のチェック内容を挙げてみました。
- 誤字脱字や読めない字が無いか確認する
- 応募規定に沿っていない部分が無いか改めて確認する
- 枠線のはみ出た部分を消すなど、細部に整えられる部分が無いか確認する
- 断ち切り線より外側をある程度綺麗に整えておく
- ベタが綺麗に見えるようにムラをなるべく無くす
ベタはムラがあっても印刷に出なければ原稿としては問題ないし、断ち切り線より外側も印刷されない部分なのでトンボが見えてれば問題ないです。
だけど、投稿作品はそう言った場所も綺麗に整えた方が良いです。
評価する人は印刷したものではなく原稿を見るので、見る気になって貰えないと良い作品でも評価されなかったり、読んで貰えずに返送される可能性すらあります。
投稿数が多い少年漫画ならなおさら、まずは読んで貰えるようにできることは全部やっておきましょう。
デジタル原稿でも同様に、余計なものは取り除いて綺麗にしておいた方が良いです。
また、郵送する場合は封筒の準備などもできるだけ気を使いましょう。
- 宛先、自分の住所氏名は丁寧に描く
- 原稿が連番に並んでいるか確認する
- 開封した時に表紙が表になるように原稿を入れる
こちらも封筒の中を見て貰いやすくするための気遣いです。
また、私は封筒に「水濡れ注意・折り曲げ厳禁」の文字を書いていましたが、この文字に拘束力や保証は無く、配達員さんが気を付けてくれる可能性があるといった程度のものです。
折り曲がらないような工夫や配達の追加オプションはこちら側ですべきことなので、心配な場合は開封が極端に大変にならない程度に工夫するのが良いかと思います。
漫画を描くって本当に大変なことで、描き上げることはさらにさらに大変なことです。
頑張って描いた大切な作品なので、出来るだけ良い形で送り出してあげてくださいね。
最後にもう一度。
俺の屍を越えていけ!