「構図」の勉強はなぜした方が良いの?
私は「構図」のことを「物の配置や、カメラの視点のこと」と考えていました。
でもなんとなく意味を理解できていないような気がして、ちょっと調べてみました。
調べてみた結果、やっぱり理解できていませんでした。
過去に勉強したはずなんですが、思い込みって怖いですね。
「構図」とは
改めて勉強して「構図」とは何かを私なりに簡単にまとめてみました。
「構図」とは、デザインに含まれる芸術要素の構成のこと。
※「芸術要素」は、物の配置や形、線、色、テクスチャ(質感の表現)、光の分布など、デザインに含まれる色々な要素のこと。
物の配置だけじゃなくて、色とかも関係あるんですね!
「構図のテクニック」とは
じゃあ「構図のテクニック」とは何か、こちらも私なりにまとめてみました。
「構図のテクニック」とは様々なパターンの「構図」が持つ特性を活用して、意図した効果や、絵をより魅力的にする効果を生み出すこと。
構図のパターンには、絵にまとまりを感じられる効果、ゆっくりとした時間を感じられる効果、緊張感を感じる効果など、様々な効果をもたらすものがあります。
みんな何となく構図のテクニックを使っている。
描きたい絵を思い浮かべた時、自然と浮かんだ配置や色や光の入り方などに構図のテクニックが含まれています。
例えば、
ゆったりした絵をかきたいと思って、なんとなく余白を入れたり
何人かいるキャラクターの中でこの子を目立たせたいと思って、1番手前に配置したり
スピード感のある絵を描きたいと思って…
といった感じで、特別に構図の知識が無くてもある程度そう見えるように描けていませんか?
色々な作品を観たり描いたりしたときに自然と構図の効果を感じているので、勉強をしていなくても感覚で構図の効果を使っているんです。
では既に感覚で「構図のテクニック」が使えているのに、敢えて勉強する理由って何でしょう?
構図の知識を得ることでレベルアップできる。
構図を学んでどんなレベルアップができるかちょっと挙げてみました。
- 感性+理論(構図の知識)で意図した効果の絵を目指すことができる
- 知識が自信の裏付けになる
- 構図の効果を盛り込んで、作品をより魅力的にすることができる
構図の効果を知らなくても意図した効果の絵を描けるときもあれば、逆に「イメージ通りに描けない!」と悩むこともあると思います。
私はしょっちゅうあります。
というか、きっちり思った通りに描けることってほとんど無いです。
いつも感覚で描けていたものが、急にどうやって描いていたのかわからなくなってスランプに陥ることもあると思います。
感覚のみを頼りにしている場合、いざ不安定になったときに調子を戻すきっかけをつかむのが難しいですよね。
そういった時、構図の知識があれば解決できる可能性があります。
知識が自信の裏付けにもなりますし、追加効果を盛り込んでもっと絵を魅力的にしたりもできます。
基本の構図
「構図のパターン」と聞いてまず浮かぶのは、「日の丸構図」や「三分割法」などでしょうか。
こういった、配置を決めるのに役立つ基本の構図のパターンは色々ありますが、実はかっちり当てはめると単調な印象になることもあります。
そういった時は少しずらすような使い方もします。
つまり、パターンに「しっかり当てはめよう」と固く考える必要は無いんです。
自分が描きたい絵を思い浮かべて、先ずはラフを描いてから構図のパターンを使って「まとまり」をだしたり効果を追加して行くと、のびのび楽しく描けそうじゃないですか?
もちろん構図のパターンからイメージを膨らまして描くのもありだと思います。
楽しく構図を覚えて作品も完成して一石二鳥っ
基本の構図のパターンはWeb上で調べれば沢山出てきますが、書籍を購入するのもお勧めです。
さっと手に取って調べられますし、なんとなく開いてイメージを膨らませたりできるので。
ちなみに私は今回本で勉強をしたのですが、きっかけは構図を何も意識せず描いた絵があまりにも駄目だめだったからです。
左が構図を全く意識せずに描いた絵です。
何処に視点を持っていったら良いかわからない感じになってしまいました。
右が構図の本を読んだ直後に描いた30分ドローイングの絵です。
単純に三角構図にしただけですが、自然と2人の顔に目が行く絵になっているかと思います。
この時に読んだ本をご紹介します。
『イラスト、漫画のための構図の描画教室』 著者:松岡 伸治
基本的な構図のパターンが沢山に掲載されていて、それぞれの構図にどんな効果があり、どんな時に使うべきなのかを知ることが出来ます。
作例もあって、図解とテキストで一つ一つ解説がありとても解りやすいです。
構図の勉強を始めた人が基礎知識として知っておくべきことが一通り載っており、初心者さん向けの教科書的な内容となっています。
基礎を学んだ後も構図に悩んだ時などには改めて開いてみて欲しいです。
特にスランプのような状態に陥ったときは基礎的なことをおさらいすると良い流れが作りやすいので、こういった本が手元に1冊あると便利だと思います。
構図の勉強を始めた初心者さん、構図の基礎を改めて確認したい人にお勧めです!
描き進める中での構図の考え方
下書きを線画に起こして、色を追加して、テクスチャを追加して、エフェクトを追加して…と絵を描き進めると、絵に含まれる要素がどんどん増えて行きます。
要素が増えると、下書きの時に目立たせようと思っていた箇所が目立たなくなったり、逆に目立たせたくなかった部分が目立ったりと、意図しない効果が追加されてしまいます。
絵を魅力的に仕上げる為には、描き進めることで変化する絵に都度対応して修正や変更を行わなければなりません。
こういったより完成度を高めるための実践的な構図の考え方についても、本を購入して勉強してみました。
『イラスト構図完全マスター』 著者:友野るい/スタジオ・ハードデラックス
制作工程を通じて、プロのイラストレーター/友野るい先生が作品を完成させるまでの考え方を学ぶことができる本です。
先ほどご紹介した本より発展的な内容となっています。
どういった考え方で配置を変えたのか、何故描き込んだ要素を削除したのか、描く過程で変更した理由を丁寧に教えて貰えます。
試行錯誤しながら制作する過程を見れることも貴重ですが、制作過程の変更の理由をここまでしっかり書いている本はなかなか無いと思います。とてもありがたいです。
せっかく良い本を購入したので、しっかり勉強してレベルアップしたいです。
今度は実際に描くときに役に立つ記事を発信出来るように頑張りますね!